探偵の届出はサイトに出ている
探偵事務所を探していると、どこも同じような文言が並んで見分けがつきません。そこで使えるのが、2024年4月1日から始まった決まりです。探偵業者は、届出をしたことを示す標識を、自社のウェブサイトにも出さなければなりません。
つまり読者は、問い合わせる前に、画面の上で確かめられます。このページは、どこに何が出ているはずかを条文から整理します。
条文はこうなっている
探偵業法12条2項です。長いので、後で分けて読みます。
探偵業者は、第四条第一項の規定による届出をしたことを示す内閣府令で定める様式の標識について、営業所の見やすい場所に掲示するとともに、その事業の規模が著しく小さい場合その他の内閣府令で定める場合を除き、内閣府令で定めるところにより、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によって直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送又は有線放送に該当するものを除く。次項において同じ。)により公衆の閲覧に供しなければならない。
分けると3つのことを言っています。
- 届出をしたことを示す標識を、営業所の見やすい場所に掲示する
- あわせて、自動公衆送信(ウェブサイトなど)でも見られるようにする
- ただし、規模が著しく小さい場合などは2から除かれる
長い括弧の中は「自動公衆送信」の説明で、放送と有線放送を除いています。残るのは、公衆からの求めに応じて自動的に送信するもの、つまりウェブサイトのことです。
どこに出ているはずか
条文は「公衆の閲覧に供する」としか書いていません。具体的な置き場所は、警視庁の案内にあります。
探偵業者のウェブサイトのトップページに標識を表示する、「標識はこちら」などと表示して、PDF等に変換した標識データを表示する等、消費者の見やすい場所に掲載してください。
したがって、探す場所は次のようになります。
- トップページに直接置かれている
- 「標識はこちら」といったリンクの先に、PDFなどで置かれている
会社概要や特定商取引法に基づく表記のページに置かれていることもあります。探し方の順序は届出をサイトで確かめる手順にまとめました。
見つからない場合に何が言えるか
ここが誤解されやすいところです。見つからないことは、届出が無いことの証明にはなりません。 掲示義務には除外があるからです。
条文の「内閣府令で定める場合」の中身は、施行規則6条1項にあります。
法第十二条第二項の内閣府令で定める場合は、次の各号のいずれかに該当する場合とする。一常時使用する従業者の数が五人以下である場合二当該探偵業者が管理するウェブサイトを有していない場合
常時使用する従業者が5人以下である場合と、その探偵業者が管理するウェブサイトを持っていない場合の2つです。どちらかに当たれば、ウェブサイトへの掲示義務から外れます。
探偵事務所は少人数で運営されていることが多いので、5人以下の除外に当たる事務所は珍しくありません。
だから、見つからなかったときに言えるのはここまでです。
| 見つかった | 言えること |
|---|---|
| 標識がある | 届出をしていることを、その場で確かめられた |
| 番号だけある | 番号は分かる。標識の様式かどうかは確かめられない |
| 何も無い | サイトでは確かめられなかった。それ以上は分からない |
3つ目の場合は、問い合わせて届出証明書番号を聞くことになります。契約前に交付される書面には、届出をした公安委員会の名称を書くことが義務づけられているので、そこでも確かめられます。書面の中身は契約前に説明される9つの項目にあります。
何が2024年に変わったのか
この決まりは前からあったものではありません。改正前の12条2項はこうでした。
改正前は「第四条第三項の書面を営業所の見やすい場所に掲示しなければならない」だけで、掲示する場所は営業所だけでした。掲示するものも、届出をしたときに交付される書面そのものでした。
改正で2つ変わりました。掲示するものが内閣府令で定める様式の標識になったことと、営業所に加えてウェブサイトにも出すことになったことです。そのウェブサイトの意味も、施行規則が念を押しています。
法第十二条第二項の規定による公衆の閲覧は、当該探偵業者のウェブサイトへの掲載により行うものとする。
つまり、他のサイトに載っていることでは足りません。その事務所が管理しているサイトに出ている必要があります。
まだ数年しか経っていない決まりです。 対応していない事務所があっても不思議ではありませんが、対応しているかどうかは、こちらから見える違いになります。
標識をまねることは禁じられている
もうひとつ、次の項に定めがあります。
探偵業者以外の者は、前項の標識又はこれに類似する標識を掲示し、又は電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供してはならない。
届出をしていない者が、標識やそれに似たものをサイトに出すことを禁じています。違反すると二十万円以下の罰金です。
「これに類似する標識」まで含んでいるところが要点です。それらしい枠に番号らしきものを並べた画像も、対象になりえます。だから標識を見つけたときは、様式として整っているかも見ることになります。番号の読み方は届出をサイトで確かめる手順に書きました。
探す前に知っておくこと
標識を探すのは、その事務所が届出をしているかを確かめるためです。届出があるかどうかは、営業できる状態かどうかの話です。
届出をしないで探偵業を営んだ場合は、六月以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金と定められています。罰則がある以上、届出は任意ではありません。
一方で、届出をしたからといって調査の質が保証されるわけでもありません。確かめられているのは欠格事由に当たらないことだけです。
つまり標識探しは、選ぶための作業ではなく、外すための作業です。ここで外れなかった事務所を、次の段階で比べていくことになります。
届出は入口の確認でしかない
標識が見つかっても、それで選べるわけではありません。届出が確かめているのは前歴が無いことだけで、調査の質は見ていません。理由は探偵になるのに資格は要らないに整理しました。
標識を確かめたあとに見るのは、料金の組み立てと、契約前に説明される項目です。料金は探偵の料金は内訳で比べるに分けて書きました。
まとめ
- 2024年4月1日から、届出の標識をウェブサイトに掲示する義務が加わった
- それまでは営業所に書面を掲示するだけでよかった
- 置き場所はトップページか、「標識はこちら」の先
- 従業者5人以下と、自社サイトを持たない事業者は除外される(施行規則6条1項)
- だから見つからないことは、届出が無いことの証明にならない
- 届出をしていない者が標識に似たものを出すことは、別に禁じられている
まず画面で探して、無ければ書面で確かめてください。