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契約後に受け取る書面の8項目

公開

契約の前に受け取る書面とは別に、契約したあとにも書面が渡されます。中身の項目は条文で決まっていて、契約前のものとは重なっていないところがあります。

条文の書き出し

探偵業法8条2項です。

探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項について当該契約の内容を明らかにする書面を当該依頼者に交付しなければならない。

「遅滞なく」なので、後日でよいわけではありません。「当該契約の内容を明らかにする書面」なので、契約の中身がそのまま書かれている必要があります。

8つの項目

  1. 探偵業者の商号・名称・氏名と住所(法人ならその代表者の氏名)
  2. 契約の締結を担当した者の氏名と契約年月日
  3. 探偵業務に係る調査の内容、期間および方法
  4. 調査の結果の報告の方法および期限
  5. 探偵業務の委託に関する定めがあるときは、その内容
  6. 対価その他、依頼者が支払わなければならない金銭の額と、支払の時期および方法
  7. 契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
  8. 作成しまたは取得した資料の処分に関する定めがあるときは、その内容

契約前の書面との違い

契約前の書面(8条1項)と並べると、性格の違いが見えます。

契約前の書面契約後の書面
提供できる業務の内容実際に行う調査の内容・期間・方法
金銭の概算額と支払時期金銭の額と支払の時期・方法

契約前は「できること」と「概算」で、契約後は「やること」と「額」です。概算だったものが、契約後の書面では額になります。ここが変わっていないなら、金額が確定していないまま契約したことになります。

一方で、届出をした公安委員会の名称は契約前の書面にしか入っていません。届出を書面で確かめるつもりなら、契約前に渡されるほうを残しておきます。項目の並びは契約前に説明される9つの項目にあります。

報告の方法と期限が入っている

4番目は、依頼した側にとって重い項目です。報告書がいつ、どういう形で出てくるかを決めます。

調査は状況で伸びることがありますが、期限を書かない選択肢は条文にありません。書面に期限が入っていない場合は、書き足してもらうことになります。

報告の方法も見ておきます。書面なのか、口頭なのか、写真や動画が付くのか、原本を渡すのか複製かで、後の使い方が変わります。

「定めがあるときは」の項目

5・7・8番目には「定めがあるときは、その内容」と付いています。定めが無ければ書かなくてよい、という書き方です。

裏返すと、書かれていない場合は、その点について取り決めが無い状態です。特に7番目の解除は、無いまま進むと途中でやめたいときに拠り所がなくなります。考え方は解約と料金でもめたときの窓口にまとめました。

8番目の資料の処分も同じです。定めが無ければ、調査で集めた写真や記録が事務所に残り続けることになります。関連する義務は依頼する側にも書面の義務があるにあります。

委託の項目を読む

5番目の委託は、契約前の書面にもあった項目です。契約後のほうは「定めがあるときは、その内容」なので、実際にどこへ回すのかが書かれます。

探偵業務を探偵業者以外の者に委託することは禁じられているので、委託先も届出をした事業者のはずです。線引きは探偵にもできないことがあるに整理しました。

書面を受け取った日が起算点になることがある

契約した場所によっては、特定商取引法のクーリング・オフが使えます。探偵の調査は同法でいう役務にあたり、事務所の外で契約した場合は訪問販売として扱われるためです。

このジャンルでは、人目を避けて喫茶店や自宅で契約することが珍しくありません。そこで契約していれば、この形に当たる可能性があります。

そして期間の起算点は、契約した日ではなく書面を受け取った日です。だから書面をいつ受け取ったかが記録として残っているかどうかが効いてきます。封筒や、渡されたときのやり取りを残しておくと後で使えます。条件と手続きは解約と料金でもめたときの窓口にまとめました。

受け取ったら確かめること

  • 金額が概算のままになっていないか
  • 報告の方法と期限が入っているか
  • 解除についての定めが書かれているか
  • 資料の処分についての定めが書かれているか
  • 契約年月日と担当者の氏名が入っているか

交付しなかった場合や、記載すべき事項を書かなかった場合は、三十万円以下の罰金の対象になっています。

書面をめぐる罰則

書面についての罰則は、条文の同じ号にまとめられています。対象になるのは3つの場合です。

  • 書面を交付しなかった場合
  • 規定された事項を記載しなかった場合
  • 虚偽の記載をした書面を交付した場合

いずれも三十万円以下の罰金です。書いてあるが中身が足りない場合も対象になっているところが要点で、形だけ紙を渡せば済む作りにはなっていません。

契約前の書面(8条1項)と契約後の書面(8条2項)が、どちらも同じ号に並んでいます。片方だけでよいわけではありません。

まとめ

  • 契約したら、遅滞なく8つの項目を書いた書面が交付される(8条2項)
  • 契約前の「概算額」は、ここで「額」になる
  • 調査の内容・期間・方法と、報告の方法・期限が入る
  • 委託・解除・資料の処分は「定めがあるとき」なので、無ければ書かれない
  • 届出をした公安委員会の名称は、この書面には入っていない
  • 交付しない場合も、記載が足りない場合も三十万円以下の罰金
  • 事務所の外で契約した場合、書面を受け取った日がクーリング・オフの起算点になる

概算のままの金額で受け取らないでください。

出典